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建築・設計

●医院のタイプ

 

かつては、戸建の医院の大半は医院と自宅が一体になった医院併用住宅でしたが、

同一敷地に医院と自宅を分けて建てる分棟タイプや、医院だけを単独に立てる独立タイプも増えました。

 

タイプの選択は、敷地選びにも影響しますから、早い段階から検討を始め、決めておきたいものです。

 

 

●敷地のゾーニング

 

具体的なプランニングの第一歩は、敷地のゾーニング、建物の配置です。

 

建物の配置は、全体計画に関わる大切な要素ですから、与えられた条件のなかで、

最適の配置を考える必要があります。

 

ポイントは、敷地を無駄なく効率的に活用し、患者さんも医師やスタッフも、

医院へスムーズにアプローチできることです。

 

●医院の空間プランニング


空間プランニングの際は、各フロアの平面的な配置とともに、

建物の立体的な形も考えながらまとめていくことになります。

 

 

●外観デザイン

 

断面・立面計画と密接に関わるのが建物の外観です。

 

外観デザインは、建物の外側を方角別に示す立面図に表されますが、

それを見ると外観がさまざまな要素によって成り立っていることがよくわかります。

 

出入り口や窓の位置など、間取りに合わせて配置が決められる部分もありますが、

整ったイメージを創造するためには、屋根、外壁、窓など、

いろいろな要素をバランスよく組み合わせることが大切です。

 

 

●平面計画

 

医院の平面計画でもっとも重要なのは、スムーズな動線です。

 

とくに、医院は病気の人が来るところですから、有床の場合を除き、

ワンフロアで診療を完結させるプランが基本となります。

 

動線の善し悪しは診療に大きく関わることですから、十分に時間をかけ、

シミュレーションを行いながら、診療方針に合うプランをつくり上げましょう。

 

 

●アメニティの向上


アメニティ(快適性)は、医院に求められる大切な要素の1つです。

 

病気の人が集まる場所だけに、清潔に保つことは当然ですが、加えて、

安心感や快適さを感じさせ、緊張感を和らげる工夫も必要です。

 

こうしたイメージや環境づくりは、クリニック・アイデンティティの一環にもなるものなので、

きめ細かな配慮を考えたいものです。

 

●医療機器の導入


どのような機器をどの程度導入するかは、診療レベルや設計、予算にまで

大きな影響を与えますから、早い段階で決めておくことが大切でしょう。

 

設計上、問題になるのは、スペースと重量です。

 

また、機器によって設置する場所、建物の構造や仕上げ、電気容量、給排水の設備などに

特別の対応が必要になるものもあります。

 

さらに将来のメンテナンスや機器の取り替えにも配慮しておくことが望まれます。

 

したがって、機器の導入は、機器メーカーと建築メーカーとの調整によって、

適切な計画を練り上げる必要があります。

 

医院建築の実績が豊富な建築メーカーを選ぶことは、高額な機器を生かすためにも重要な要素といえます。

 

●部屋別のポイント

 

各空間によって、設計時に気をつけるべきポイントが違います。

 

診療科目によって独自の対応が必要になることもありますが、

下記に各科目に共通するべきことをリストアップしました。

 

院長の医療方針を基本として、各空間をコーディネートしていく必要があります。

 

アプローチ・出入り口
待合室
トイレ
廊下・階段
受付・事務室
X線撮影室
院長室・スタッフルーム
手術室

 

●給排水の位置を確認しておく

 

テナント物件などでの開業を計画する場合、新築計画以外は

給排水設備や電源設備などは、既存の設備が利用出来るかどうかの判断が大変重要になってきます。

状況によっては、クリニックの機能が果たせないので、

開業を中止せざるを得なくなるなどと言うこともあり得ますので、

テナント契約を行う前には、専門的な視点での状況判断が不可欠となります。

特に、流し台やトイレなどの給排水設備は、クリニツク内部に必須の設備ですが、

それらの設備が必要な位置の床に排水管がない場合には、

クリニックのレイアウトに制約が掛かり困ったことになります。

流しなどの排水管は、水勾配が取れればある程度排水管を延長して、

流し台を配置することが出来ますが、トイレには太い排水管を使用しますので、

延長する場合にも制限が掛かってきます。

建物の配管設備の状況により、既存の排水管に接続できる様に、

新規に排水口を施工することも可能ですが、テナントの大家さんや

他の入居者の許可を得ることが必要となり、工事自体も大がかりなことになって、

予想もしなかった費用が掛かって、資金計画が狂ってしまう場合もあります。

 

●動線区分を明確にする

 

クリニックのスペースには限度がありますので、

患者さんが増えても狭さを感じさせないスペース創りを計画するには、

患者さんとスタッフの動線区分を明確にする事が肝心です。

受付の位置や、待合室から診察室に至る流れと、

処置室への動線を一方通行として、常に穏やかな流れの中に患者さんを

誘導出来るような動線を計画し、スタッフの業務動線が患者さんの流れと

交差しないように、また、同じ場所で様々な業務を効率よく実施できるような動線計画が必要です。

 

 

●待合室は広めにとる

 

クリニックが繁盛してくると、待合室で多くの患者さんが順番を待つようになります。

ところが待合室のスペースが狭いと、来院した患者さんが混雑している状況を見て、

そのまま帰ってしまうことがあります。

せっかく来て頂いた患者さんが帰ってしまうようなことを防ぐためには、

気持ちの良い待合室を提供して、待ち時間を苦にしないようなクリニックにすることが大切です。

但し、人間の感覚には錯覚がありますので、ただ単に広くスペースを取ったと言うことで、

効果が出ると言うものではありませんし、また、待合室ばかりにスペースを割いてしまっては、

肝心の診療部分に必要なスペースが取れなくなってしまいます。

 

そこで、限られた面積の中でも、待合室を広く見せる為には、空間の広がりを計画したり、

窓などの外部を見通せる位置に配置したりなど、様々な工夫が必要になってきます。

私共は、待合室が広く感じられる様な空間配置の計画をご提案します。

 

 

●スペース配分は患者さん中心に

 

限られたスペースの中で、全ての要求を満たすには無理が生じてきます。


クリニックは、医療行為を通して収益を上げる場所であると言うことを考えると、

必然的に、待合室・診察室・処置室などの、患者さんに提供するスペースを優先して計画することになります。

院長室やスタッフルームなど、管理のためのスペースは、

1日の内の僅かな時間しか使用しませんので、24時間専用の部屋を置いておくことは、

余裕があればと言うことで考えないと、診療の機能に制約をかけてしまうことになりかねません。

患者さん有ってのクリニックという観点を基に、事業効率の良いクリニック創りが必要です。